台湾の青い鳥。迪化街さんぽ

幸せの青い鳥はすぐそばにいる、とはよく言ったもので、本当に青い鳥はすぐそこにいた。でも見えないんだよね、なかなか。

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私はやっと自分探しから解放された。これまでずっと前のめりになんかやらなきゃと思ってきて、頑張らなきゃと思ってきて、いつもちょっと何かに追い立てられたような感じで生きてきた。

頑張らなきゃはキリがなくて、すごい人のイメージもキリがなくて、それはただ自分の首を絞めるようなことでしかなかったんだなぁ。

私を変えたのは台湾。このゆるくて大らかでいいじゃないの〜な感じが、少しずつ体に馴染んできて、ちょっとずつ人生がかき回されて、今ここにストンともどってきた。

今日は意味もなく朝ごはんを食べにバスに揺られて廸化街に来た。おかゆと小菜が食べたくて、だけどうちの近くにはそういうお店がないから、グーグルマップで引っかかったお店を目指す。朝8時頃のバスは、いつもと違って出勤混雑。だれもかれも服装がTシャツで朝ごはんのビニール袋を握りしめてたりするもんだから、緊張感はゼロだけど、それでもみんな仕事に行くんだなぁ、なんて少し不思議な気持ちになる。

朝の光はいつもより少し優しい。

廸化街でバスを降りて、少し歩くと目的のお店があった。人で賑わっている。台湾らしく店の外に並んだトレーにはおかずが入っていて、その隣には大きめのちょっとカサカサしたプラスチックの丼に、真っ白なおかゆが入っておとなしく並んでいる。まだまだ暑いのに外で食べている人もいるし、外から丸見えの店内にはおじいさんのおひとり様がちらほら。

おかずを3品指差して注文して、おかゆをひとつ。冬瓜の醤油煮と親指の爪ぐらいの揚げを甘辛く炊いたの、そして青菜炒め。

おかゆは味なしのさらさらとぽってりの間の子ぐらいで、おかずの量は台湾にしては控えめ。店内の大きい丸テーブルにおじいさんと相席して、プラスチックの箸でおかゆをすすると、いいなぁって思う。こうしていろんな人生を送る人たちが集まって、同じ場所で同じものを食べて、外でも中でも関係なくて、お店の人は不必要に洗いたてのプラスチックの器をガチャガチャいわせながら整理していて。

日本人のおばさま3人が、お粥ひと碗とおかず3品で店内に入ってきた。座る場所がなくてキョロキョロしているから席をつめてあげたら、日本人らしくペコペコとお辞儀してくれて可愛らしい。三人で1つなんてダメかな、なんてひとりが言うと、大丈夫よ、と真ん中の人。真ん中の人がしつように左右の二人に味見を強要し、結局三人がプラスチックの箸を握りしめて、お椀をあっちにやったりこっちにやったりしながら、お互いに遠慮しあって食べていた。お粥、本当に普通のおかゆね、味がないのね、なんて言いながら。

ふと壁をみると、日本のドラマ「深夜食堂」で放送された、と書いてある。その時の写真もあって、俳優さんが食べたご飯はおかゆではなく鶏肉飯だったようだ。へぇ、と思う。

おかずの味もお粥の味も、特筆するようなことは何もなくて、以前暮らしていたところの近くにあったお店のほうが、ずっと汚かったけど、ずっと美味しかったなぁなんて思い出す。私が大好きな小さな油揚げ、本当なら甘辛くてとろりとしていてダシがしみて美味しいんだけど、今日のお店はちょっと甘すぎてお砂糖の塊みたいで、結局少ししか食べられなかった。

近々久しぶりに以前の家の近くの、あのお店に行こう。他にもお昼ごはんが美味しい弁当屋もあることだし。今の家からは結構遠いけど。

あんまりお腹はふくれなかったけど、ちょうどいいから朝の迪化街を歩く。有名な乾物通りだけど、職業柄その裏側を知ってしまっている私としては、並んでいるのが食べ物には見えないから、適当に通り過ぎながら、新しくできたお店をチェック。最近この辺りは開発がすごくて、しゃれたお店が次々オープンして面白い。

干したシナチクの匂いや、小麦粉の匂い、漢方の匂いが次々とやってくるめまぐるしい散歩。気を抜くとトラックにひかれそうになるし、この辺りで道を渡るときは普段よりずっと神経を使う。それでも、老街の風情は小汚く素敵で、突然ポカっと現れる思いがけない景色に、立ち止まってしまう楽しみがある。

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そこかしこに、むき出しになった生きる意欲みたいなものがムンムンしている。すごい量の魚団子を茹でている店、子供の背丈ぐらいの干ししいたけの山、半裸のおじさん、道端に並びきらないほどのバイク。

とはいえ、おしゃれなお店はいつだって大名商売で開くのが遅い。10時前ではカフェなんてひとつも開いてなくて、グーグル地図に聞いてみる。そして見つけたローカル色満点のカフェに落ち着いた。おしゃれなカフェなら100元〜300元のコーヒーが、ここなら50元。感じのいいおじさんと、快適な空間。バイトや従業員じゃなくて、おじさんがキレイに大切に掃除しているお店。音楽もないけど、薄暗いけど、シナチクみたいな匂いが入ってくるけど、なかなか素敵なお店だ。

このあとは、大好きな魚団子の米粉を食べて、デザートを食べようと思う。若い人のおしゃれな店も開き始めた頃だから、あちこち冷やかしてみよう。

私の青い鳥と一緒に。

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