家探しで考える、生き方

これまで意識してこなかったけど、家を探すということは、生き方を考えることにまっすぐ繋がっている。服も食べ物ももちろんそうだけれど、台東で家を探していている今、強く感じるのは「家は生き方の集大成」ということだ。

ちょうど数日前から移ってきたゲストハウスが、建築家(夫)が建てて夫婦で経営しているところで、とてもすがすがしくて気持ちいい。奥さんもきれい好きなので掃除も行き届いている。彼女を見ていて思うのは、家をきれいに保つにはやっぱりその場その場でこまめに片付けることだなということ。

ここは彼女たちの家でもあり、職場でもある。アイランドキッチンに物が溢れていては美しく保てないし、できるだけ物は収納して、使ったらすぐ片付ける。キッチン奥には彼女たちの私室があり、そこは扉で区切られてプライバシーは保てる。それでも彼女たちの私室の横には2階(ゲストルーム4室)に続く外階段があって、宿泊客はドンッドンッと遠慮なく足を踏み鳴らして昇り降りしている。

私達も一時期農家民宿をやっていたけど、人がすぐ近くで寝ているってすごく気を使う。その時の古民家では、私室とゲストの生活空間がきちんと隔たれていなかったからなおさらだった。

ここには1ヶ月の滞在予定なので、私たちは基本的に部屋を借りているだけで、食事も掃除も自分たち。この気楽さがとてもいい。キッチンの道具も使わせてくれるから、最低限の鍋やお茶碗やもちろん調味料を持ち込んで、冷蔵庫の中も空けてくれたので、その場所に要冷蔵の調味料(味噌とかジャムとか)を収めた。引っ越し荷物は友達の倉庫に保管してもらっている。

ここに滞在して、やっとこの2日ほど落ち着いた時間をすごしている。引っ越し(というか荷物を移動し)てきたのが5月7日。手伝いに来てくれていた母が日本に帰ったのが18日で、その翌日にこの高台の宿に移動してきた。今日は5月22日。母がいる時に、3日間だけ阿里山の茶農家を訪ねたけれど、それ以外は台東で毎日どこかの空き家や人を訪ねて家探しをしてきた。

引っ越し前数日から引っ越し後、ずっとバタバタしていた。忙しいって心を亡くすと書くけれど、いい家が見つかったら、素敵な家が見つかったら・・・という思いでハイテンションになって、前ばっかり見て周りをよく見ていなかったなと思う。

あらためて立ち止まってみると、いまさらながら、家は暮らしの集大成だということに気づいた。どんな家に住みたいのか、は何を大事にしているを現すし、どんな家に暮らすのか、がライフスタイルを作って生き方を決めていく。

今まで色々な場所のいろいろなタイプの家に住んできて、好みも求めるものも変わってきた。その経験をふまえて、今私が求めている家は、台東でシンプルで景色がよくて清潔なところ。部屋はベッドルームとリビングキッチンがあればいい。台北で暮らしたようなモダンでおしゃれなアイランドキッチンはもういらないかな。木で自分たちで作ったような、そんなキッチンとテーブルがあればいい。庭が緑で、山や海が見えたら最高。そういうところはもちろん不便だけれど、それでいい。きれいなレストランや、おしゃれなお店で買い物するよりも、山にかかる雲を見ていたい。

そうそう、今回引っ越し荷物を見て、だいたい自分たちの持っているものの量が把握できたのが嬉しかった。出来るだけ物を少なく、と思っていてもあれこれと物は増えているもの。車に乗り切らなかったし使っていなかったスチール台や以前の発送に使っていたダンボールなどは思いきって捨ててきた。というか、捨てざるを得なかった。台湾のことだから、ゴミ屋さんが拾ってどこかで再利用されるだろう。

家具がないから、引っ越してみると正味の自分たちの道具だけがはっきりと分かる。台北では家具付きの賃貸が結構あるので、外国人にはとても助かる。引っ越しの際に家具がなければ物はすごく少なくなるもので、物が少ないと引っ越しのハードルがすごく下がる。ぱっと動けるっていうのはなかなかいい。

ではこれからはどう暮らすか。物はやっぱり少なく、でも家具はどうだろう。買うよりも流木なんかで作ってみたい。もっと手を動かして、体と感覚を使って暮らしたい。人が作ったものをお金で買うよりも、そこにあるものを活かして必要なものを作れるような技術を身につけよう。

京都の古民家と台北の都会、この正反対の暮らしが私達の中庸を知るいい物差しになった。さて、身軽で本質的な暮らしが出来る家を探しますか。

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