台湾の70年老木文旦の驚きのおいしさに人生を思う

台湾は文旦の季節。どこにいっても文旦が山盛りになっていて、お中元のように箱に入った果物やお菓子なんかの贈答品が並び、中秋節の季節らしいにぎわい。

台湾の文旦は、70年も80年も経った老木に育つものが一番おいしいと友達が教えてくれた。実もたくさんもらった。

大きい実がなるのは若い木。老木になると実は小さくなる。若い木になる大きな実は、房の中の実の粒のひとつひとつが大きくて粗い。老木の小さな実は、房の中の実も細かく細い。

そして大味な若い木に比べて、格段に繊細でジューシーで美味しいのが老木の実。ぎゅっと詰まっている感じ。舌触りも味もまったく違う。

一般に売られているのは大きな実ばかりで、小さな老木の実は貴重なもの。老木の実はあまりにも特別で、値段も10倍ほどになるらしい。

台湾の文旦っていまいちだと思っていたけれど、老木の実は食べたことのないようなおいしさだった。甘くて美味しいだけじゃなくて、少し苦みがあるところまで、まるで人生みたい。

果物も野菜も、やる気のある農家さんは新しいものの開発に夢中だけれど、すでにあるものの中にこそ本当においしいものがあって、大事にしたいものがある。

マンゴーも昔からある地のマンゴーが、本当は一番おいしい。私の人生ベストマンゴーは地マンゴーだ。でもやる気ある農家は、愛文マンゴーのように実が多くて甘みが強くて食べやすいものを開発して増やすことに夢中で、地のマンゴーは庭にただあるだけのもの。その味の複雑さと本来のうまみの価値は忘れられていっている。

ただそこにあって、小さくて食べにくくて、でも味が濃くて甘いだけじゃない複雑な味わい。

そういう人生っていいかもしれない。

そうそう、ちなみに文旦は皮が象みたいにシワシワになってから食べるのがよし。皮が緑で生き生きしているうちはまだまだ。それから1、2週間たって皮が黄色くシワシワになったら食べごろ。皮の水分が実に入って、実が格段にジューシーになる。

時間が経てば経験が身(実)になる、ってことか。

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