問題が起きたときに、その問題の根本を考えると、まったく違うものが見えてくる

台北に暮らしていた時、ほんのしばらくの間、鍼(はり)に通っていた。

中医が大好きで、台湾に来てからあちこち診察を受けてみた。「自分の状態を知りたい」というのが基本的な受診理由。でもそれでは診察する側も困るので「肩こり、冷え性、太ももの違和感」を理由に診察をうけてきた。

これまでの中医にはほぼ、「氣不足による新陳代謝不良」といわれてきた。中藥(漢方)を処方してもらい、鍼治療を受けたこともある。中医も西洋医と同じで、人によって診断結果はさまざまで、良い医師にあたれば芋づる式に体調が改善するけれども、いまいちの場合も多い。中医の治療は薬で痛みや症状を抑え込むわけじゃないから、なおさら医師の腕が如実に結果に反映される。面白いことに、医師との相性もかなり重要な要素だ。

私は結構な数の中医に見てもらってきたけれど、これまでは根本原因を具体的に教えてくれた人はいなかった。どこにいっても「心」が弱いのは言われていたけれど、それは私の症状の直接の原因ではない。

ところが今回の鍼で、ついに原因が分かった。私の訴えた問題「頭痛、むくみ、太ももの違和感」はすべて胆系の問題ということだった。肝も関係している。

難しいことはさておき、中医学や薬膳を学んでよかったことは、問題を考えるときに大事なことは「根本原因」だという考え方ができるようになったこと。

たとえば体のことでいえば、問題は「病気」ではない。その「病気になった根本的な原因」こそが問題だ。頭が痛いからといって、頭痛藥や風邪薬で痛みを抑えても、何も解決しない。

頭痛なら、その原因はなんだろうかと考える。

カフェインのとりすぎ、砂糖のとりすぎ、考えすぎ、運動不足、体によぶんな水分がたまりすぎている、ホルモンバランスの崩れ、冷たいものの取りすぎ、化学物質の取りすぎ、いろいろ考えられる。それによって、体のどこが弱っているのかはまた、人それぞれということになる。

肩こりなら、肩こり解消のマッサージやシップ藥や飲み薬は症状を抑える治療。肩こりの根本原因は血の不足や冷えや新陳代謝不良などが考えられる。では、血が不足したり体が冷えている原因はといえば、食生活の肝が弱っているためかもしれないし、その理由は食生活や姿勢や運動不足や環境や衣服などが原因かもしれない。

「肩が痛いのは肩こりだから。」ではなく、「肩が痛いのは肩こりだからで、ではなぜ肩がこるのかというと・・・」、と掘り下げていくと、「あ、これが問題か」ということが見えてくる。そこではじめて、本当の問題がはっきりして、解決方法も分かってくる。問題は肩こり、で思考が止まってしまうと、肩こりをほぐそう、という解決方法しか出てこないから、いつまでたっても肩こりを繰り返してしまう。

人生も同じ。

問題が起きたときに、その問題の根本を考えると、まったく違うものが見えてくる。環境のせい、周りの人のせい、運の悪さのせい、前世のカルマのせい、にしているうちはまだウソ。その奥には、自分の弱さや、勇気のなさや、汚い気持ちが隠れている。

私は、ずっと本を出したかった。実際に書いてみたり、人脈を作ったり、出版のためのコンサルティングや講座を受けたことはある。でも、私は本を出せなかった。タイミングが来てないのかなと思っていたけれど、実際にそうだったけれど、それは、私が自分をブランディングし、商品化する勇気を出せなかったから。出版を望んでいたのも私自身で、恐れていたのも私自身、そして、止めていたのも自分自身だった。

私は人に評価されるのが怖かった。出版しても世間に受け入れられないかもしれないし、売れないかもしれない。そうしたら、もう言い訳ができなくなる。自分が必要とされていない、という結果が怖くてしょうがなかった。

これまで、本が出ないことの意味を深く考えたことはなかった。ただタイミングが来れば、誰かが私を見つけてくれるか、うまく事が運んでとんとん拍子に進むと思い込もうとしていたから、本当のことを知るのが怖くて考えたくなかったんだろうと思う。

でも、その原因は、自信のなさだった。勇気の出せなさだった。

それが分かってみると、分かるだけでもう見え方が変わって、いろんなことが違ってくる。

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