朝の日の出とともに自然と目が覚める暮らし

台東に来てから、朝の日の出とともに目が覚めるようになった。

窓から見えるのは広い空と、海と、三仙台という景勝地。巨人がいたずらで海岸線の岩場を引っ張ってちぎったような小島に、コンクリートで作った太鼓橋がいくつもつらなったような橋がのびている。海岸線と、島にぶつかってできる白いさざ波。あとは海と空と水平線だけが一面に広がる。

太陽が昇り始めると空に浮かぶ雲はやわらかなみかん色に衣装をかえ、日の出の太陽が見えても見えなくても、濃紺だった空の青は確実に薄い水色へと変わっていく。薄くて心もとなかった水色が、しっかりと濃い夏の色に変わるころには、照りつける太陽は真夏の無遠慮さを発揮している。

早起きは夢だった。早く寝て早く起きるというすこぶる自然な暮らし。町中にいるときはできなかったけれど、今の宿に泊まってからは目覚ましもいらない。

窓のブラインドは開け放して眠る。ベッドから見えるパノラマも、夜は遠くにわずかな街灯をうつすのみ。月が出れば、月に見守られるような気持ちで眠りにつく。月の光は、本が読めるほど明るい満月であっても、穏やかな眠りを誘う。

朝早く起きると、一日がとても長い。

無理して何かするわけじゃなくても、ぼんやりしたり、お昼寝したり話をしたりといった時間がとてもゆったりとのんびりする。遅く寝て遅く起きていた時は、一日があっという間だった。朝ご飯を食べたらお昼で、あっという間に晩ごはん。間の時間をごっそりどこかに落としてきたような気がしていたものだった。

目覚めがおだやかなのもいい。目覚ましの音で暴力的に穏やかな眠りから引きずりだされる朝と、自然と目が開いて朝焼けの空を見る朝。この小さな変化で、なにがどれだけ変わっていくだろうか。

今日もおだやかに生まれたというような、夜から朝へのすんなりとした移動をとても気に入っている。

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